「空蝉(うつせみ)」で句を作りたい。

2009年07月30日

今朝、セミの抜け殻が、コンクリートにひっついているのを見ました。
完全なる平面、というか壁、に見えるコンクリート。
しかし、セミの抜け殻がしっかりと引っかかっているところを見ると、
微妙な凹凸があるのでしょう。
このつきっぷり、もしかして、あと10度くらい壁が手前に傾いても(傾いてほしくないけど)くっついたままなんじゃ。

ううむ、なんと無謀、なんとチャレンジャー、なんと無理筋、
なんと目立ちたがり屋、なんと脚力のある、
なんと気合と根性のあるちょっと古風な、
なんといなせな、………
どう表現したらいいのかわかりませんが、
なんとも立派なセミの抜け殻。

そこで俳句を作りたくなりましたが、
見た瞬間に、思ったことが多すぎて、まとまらず。
見たまま作ればいいのですが、
(たとえば、「空蝉の壁の薄傷捕らえをり」とか)
それじゃあ、もったいない気がして、
何とかならないかなあ、と思っているところです。

ちなみに、セミの抜け殻のことを「空蝉」と言います。
『源氏物語』の「空蝉」は、ここから来ているのでしょう。
この物語のせいもあって、「空蝉」は夏の季語の中で好きなものの一つです。

なんとかならんか、コンクリート壁の空蝉。   


Posted by ジェームズ at 11:05